年間2,000万円超の赤字から完全黒字化へ
現場を巻き込み大改革を成し遂げた、2代目社長の「覚悟」と現場の営業改革 株式会社 修明 代表取締役社長 上谷 修一郎 様、取締役 教育事業部 部長 柴田 圭 様

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学習塾事業からスタートし、かつては大きな事業拡大を遂げた株式会社 修明様。しかし、その後の同社を待っていたのは、学習塾事業の長きにわたる苦しい業績不振の時代でした。

絶望的とも言える状況から、当社はいかにして「V字回復」を成し遂げたのか——。 その立役者となったのが、代替わりによって就任した2代目社長の上谷社長。過去のしがらみを断ち切るトップの強い覚悟と、現場を置き去りにせず力強く巻き込んでいくその手腕は、まさに「令和時代の経営者のロールモデル」と言えます。

本日は、経営トップである上谷様と、改革の最前線に立った取締役兼教育事業部長の柴田様のお二人に、船井総研とタッグを組んで挑んだ「大逆転の軌跡」と「復活の秘訣」を余すところなくお伺いします。


2代目社長が直面した「時代の変化に取り残された現場」

―― まず、上谷社長が代替わりされた当時の、事業の状況と経営課題について教えてください。

上谷様: うちには約60年にわたる歴史があり、もともとは父が1967年に創業した「修明学園(学習塾)」から始まった会社です。かつては最大14校舎を展開し、塾だけで約7億円を売り上げる絶頂期もありました。 しかし、私が代替わりした当時、塾の売上は全盛期の25分の1にまで落ち込み、毎年2,500万円以上の大赤字を出している非常に苦しい状態でした。実は長年にわたり、後から立ち上げた「警備事業」で稼いだ利益によって塾の赤字を補填し、なんとか塾の灯りを守り抜いてきたという背景があったのです。

―― なぜ、そこまで業績が悪化してしまったのでしょうか?

上谷様: 根本的な原因は、学習塾事業の組織全体が「昔の成功体験」から抜け出せず、時代の変化に完全に取り残されていたことです。 現場叩き上げである先代の父は、現場で一生懸命教えることには長けていましたが、パソコンをうまく使えなかったため、「Web集客・マーケティング」という考えはなかなか理解できませんでした。個人情報保護が厳しくなり、チラシや名簿に頼る集客が通用しなくなっているのに、有効な戦略を全く打ち出せずにいたのです。 稼いでいる警備部門からは不満が出ますし、生徒が来ない塾の現場は士気が下がり、教師たちのモチベーションも下がっていく。社内の雰囲気は決して良くありませんでした。

経営トップと現場役員の強固なタッグ結成

―― その危機的状況を、2代目社長としてどのように立て直していったのでしょうか?

上谷様: 私自身は代替わりする前から、「この状況を打破するには、Web集客の強化や高単価路線への切り替えが必要だ」と思っていました。そして、私が2代目社長に就任したタイミングで、いよいよ覚悟を決めたのです。

先代から受け継ぐべき「生徒に徹底的に寄り添う想い」はしっかりと継承しつつ、時代遅れになった古いシステムややり方は過去のしがらみを断ち切って刷新する。そして、そのノウハウを補うために船井総研に支援をお願いしました。 船井総研のコンサルタントは、私が漠然と考えていたアイデアをKPIなどの具体的な数字に落とし込み、クリアに言語化してくれました。これで私の経営的な解像度はグッと上がりました。

しかし、経営者がいくら最適な戦略を描いても、現場が動かなければ絵に描いた餅です。そこで私は、現場を熟知していた柴田を役員に抜擢しました。私が経営トップとして改革の方向性を示し、柴田が全責任者として現場の陣頭指揮を執る。この「私が設計図を描き、柴田が現場を巻き込んで実行する」という強固なタッグを敷いたことが、最大の勝因だと思っています。

―― ここからは現場トップの柴田様にお伺いします。実際に船井総研のコンサルティングが入り、社長から大改革の号令がかかった際、現場としてはどのようなお気持ちでしたか?

柴田様: 20219月に初めて船井総研のコンサルタントとお会いした時は、私にとってまさに「黒船来航」のような衝撃でした。 「塾として基本的なことが全くできていない」と、集客から教務に至るまで徹底的な改善提案を受けました。私自身、長年この業界でやってきた自負があったため、当時はその質と量に正直驚き、反発する気持ちもありました。

しかし、上谷社長の「過去の成功体験はすべて忘れ、ゼロから立て直す」というトップの本気の陣頭指揮を目の当たりにし、私自身も過去の経験に頼るのをやめ、プロからの指摘を素直に受け入れて現場を牽引する覚悟を決めました。今振り返ると、業界のトッププロから忖度なしに指摘をいただけたあの瞬間が、最大のターニングポイントだったと思います。

わずか4年で完全黒字化!令和の時代を勝ち抜く「4つの大改革」とは?

―― 社長と現場が一体となって、具体的にどのような取り組みを実践されたのでしょうか?

上谷様: 私は「最短でも3年、長くても5年で黒字化できなければ塾事業はやめる」と期限を切り、退路を断ってスタートしました。具体的には以下の4つの大改革を矢継ぎ早に断行しました。

高単価・高付加価値サービスへの大転換

これまでの薄利多売なモデルを完全に捨て、質の高い高付加価値サービスへ切り替えました。教室の内装も一新し、再生が見込めない教室は思い切って閉鎖するという「選択と集中」を行いました。

トップダウンによるWeb集客の徹底

柴田とWeb制作会社を巻き込み、ホームページを中心とした集客の仕組みを徹底的に構築しました。社内からの不安の声もありましたが、トップダウンでブレずにやり抜くことで、徐々に社員もついてきてくれました。

営業(セールス)の一元化とスキル研鑽

問い合わせ対応の即時対応+お電話での来校誘導や保護者様との面談をすべて柴田に一元化しました。船井総研に何度もロープレに入ってもらい、クロージングスキルを徹底的に磨き上げました。

根性論からの脱却と「働きやすさ」の実現

 集客と営業が回り始めたタイミングで、労働環境にもメスを入れました。長時間労働を良しとする古い根性論を改め、週休2日をしっかりと確保し、社員が働きやすい環境を整えました。

この結果、全盛期と比べ教室数自体は縮小したものの、一人ひとりの生徒へ質の高い教育を提供できるようになり、高単価化を実現しました。同時に、問い合わせ数も回復に向かうようになりました。

特に大きな成果が、各段階における歩留まりの劇的な改善です。以前は45割程度だった「問い合わせからの来校・体験授業への移行率」が7割強に向上。また、自社の魅力を伝えきれず他塾に流れるなど5割未満にとどまっていた「体験授業からの入会(成約率)」も、7割へと大きく伸長しました。

これにより、かつては2割程度だった全体の入会率は5割へと倍増し、同じ問い合わせ数だったとしても入会者がこれまでの2倍以上増える結果を生み出しています。こうした改革が実を結び、代替わりから約4年で完全黒字化を達成。現在では、確固たる売上と利益を生み出せる組織へと生まれ変わっています。

 

再起の原動力は、先代から続く「ケアリング」の精神

―― ドラスティックな改革の一方で、昔から変わらず大切にされている部分もあると伺っています。

上谷様: はい。具体的なビジネス手法の話が多くなりましたが、ここで強調したいのは、「商売(マーケティング・営業)」と「教育(現場の生徒への想い)」、この両輪が回って初めて改革は成功するということです。

今回私たちが再起できた一番の理由は、先代の父が作り上げた「目の前の子供と真摯に向き合い、勉強を通じて成長を促す」という組織文化と風土があったからです。 改革の過程で色々な出来事がありましたが、この「生徒に徹底的に寄り添う姿勢」に深く共感し、一番苦しい時期も現場で生徒と向き合い続けて残ってくれた社員たちがいたからこそ、息を吹き返すことができました。 私たちは現在、教育や警備、シニアライフ事業を展開していますが、その根底にはすべて「ケアリング(相互に自己実現を図る)」という理念が貫かれています。先代から受け継いだこの「教育の根幹(想い)」を大切に守りながら、そこに最新のマーケティングを掛け合わせたからこそ、今の新しい修明学園の強固な基盤ができあがったのだと思います。

地域を支える100億円企業へ

―― 貴社の今後のビジョンや展望についてお聞かせください。

上谷様: 私たちは今、船井総研と協力して「ケアリングカンパニー」として、この柳橋の地域を中心に100億円規模の企業グループを創り上げるという壮大なロードマップを描いています。 教育事業部に関しては、もはや単なる「受験塾」にとどまるつもりはありません。今後は民間学童や保育、児童発達支援、放課後等デイサービス、不登校支援、通信制サポート校等「地域の安定的な社会インフラを担う、総合的な教育事業体」へと発展させていきたいと考えています。

柴田様: 現場を預かる立場としては、まずは現状の体制で主力である受験コースの生徒数をさらに引き上げていきます。教務力を強化し、「合格率90%超」の維持を目指します。その上で人材採用を進め、新たな教室展開も視野に入れています。 今後は「受験一辺倒」ではなく、地域の多様なニーズにしっかりと寄り添える「総合型の教育サービス」をご提供できる企業へと成長していきたいですね。

上谷様: うちの塾には、先代が教えた生徒の「子供たち」や「お孫さん」が通ってきてくれるという、他には真似できない約60年の歴史と厚い信頼があります。この地域に深く根差し、社会的な意義と雇用を創出し続けるためにも、さらなる飛躍を目指していきます。

 

―― 最後に、今後コンサルティングの導入を検討されている全国の経営者様へメッセージをお願いいたします。

柴田様: 長年ご自身で経営・運営をされている方ほど「コンサルティングを受けて本当に効果が出るのか」と不安を抱かれると思います。私自身も最初は同じ気持ちでした。 しかし、いただいた厳しい指摘も素直に受け入れて行動に移してみてください。そうして一つでも現場で成果が見えると、「支援を受けて本当に良かった」と実感でき、そこから現場に良い循環が必ず生まれます。

上谷様: 私は迷わず入会やご支援を受けることをお勧めします。実際に私たちは長年の赤字を脱却し、「黒字化」という大きな区切りをつけることができました。

ただし、同じ経営者として一つだけ強く申し上げたいのは、「プロのノウハウを生かすも殺すも、すべてはトップの覚悟とあり方次第だ」ということです。 どんなに優れた情報や仕組みを提供されても、現場に丸投げしているようでは絶対にうまくいきません。経営者自身が素直に謙虚に学び、「これをやる」と決断したからには、経営者自身が100%の責任を負うことです。

痛みを伴う決断を下し、時には社内を説得し実行に移す。いただいたアドバイスをどう「自社独自の強み」と融合させていくかを徹底的に考え抜く。そこから決して逃げず、責任を持って現場を巻き込み続ける経営者であれば、船井総研の支援は必ずや、成功への最大の推進力になるはずです。