【保育士採用】新卒・中途で劇的に変わる!「選ばれる園」になるための母集団形成戦略

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公開日
更新日
執筆者塚本 実和子
コラムテーマ採用・育成
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保育士採用の最難関「母集団形成」を突破!新卒・中途に響くアプローチ手法を解説

いつもお読みいただきありがとうございます。
株式会社船井総合研究所の塚本です
 
保育業界において、保育士の採用難は依然として経営の最重要課題の一つです。
「求人を出してもなかなか応募が来ない」
「紹介会社に頼らざるを得ず、採用コストが高騰している」
全国の法人様から、このような切実なお悩みを日々お伺いしております。

採用活動は大きく「集める(母集団形成)」「育てる(誘導率向上)」「採用・フォローする(入職率・承諾率向上)」のステップに分かれます。

今回はすべての採用活動の出発点であり、最大の難関とも言える「集める(母集団形成)」に特化し、新卒採用と中途採用それぞれの具体的なアプローチ手法をお伝えいたします。

そもそも「母集団形成」はなぜ重要なのか?

母集団形成とは、自園に興味を持ち、応募の候補となる人材(=母集団)を集めるプロセスです。
ここが不十分なままでは、どんなに魅力的な園見学や充実した面接を用意していても、そもそも求職者にその魅力を伝えることができません。
自園の理念に共感し、長く活躍してくれる人材を「選んで採用する」ためには、まず十分な数の母集団を形成し、「選べる状態」を作ることが第一歩となります。

しかし、新卒と中途では求職者の動向や情報収集の手段が大きく異なります。
そのため、ターゲットの思考に合わせたアプローチ戦略が必要不可欠です。

新卒採用の母集団形成 ~「早期接触」と「共感」が鍵~

今の学生は、実習や本格的な就職活動が始まる前のかなり早い段階から、スマートフォン(特にSNS)を駆使して情報収集を行います。
「雰囲気が良さそう」「自分の価値観と合いそう」という直感的な共感が、最初の接点(エントリー)につながります。

① SNS(Instagram・TikTokなど)での日常発信
どんなに魅力的な保育をしていても、インターネット上に情報がなければ学生の候補にすらなり得ません。
文字ばかりの求人票ではなく、実際の保育風景、先輩保育士の笑顔、給食の様子などを写真や動画で視覚的に伝えることで「園の認知度の最大化」を図ることが最重要です。

② 保育士養成学校との連携強化
デジタルネイティブな学生であっても、学校の先生からの紹介・推薦は依然として強力です。
実習生の受け入れを積極的に行うことはもちろん、定期的に学校訪問を行い、自園の最新情報や採用状況を先生方にアップデートしていただく「アナログな関係構築」も並行して行いましょう。

③ ハードルを下げたカジュアルな接触機会の創出
いきなりの「面接」や「見学」ではなく、「まずはオンライン説明会で話を聞いてみる」「先輩保育士とのWEB座談会」など、学生が心理的負担なく参加できる入り口を複数用意することが母集団拡大に繋がります。

中途採用の母集団形成 ~「条件の透明性」と「働きやすさの見える化」~

一方、中途採用の求職者(潜在層・顕在層含む)は、現職への不満やライフスタイルの変化(結婚・出産、転居など)をきっかけに転職を考えます。
そのため、新卒以上に「具体的な労働環境」と「リアルな職場の実態」をシビアにチェックします。

①採用特設サイト(オウンドメディア)の充実
中途の求職者は、求人媒体や紹介会社から情報を見た後、必ずと言っていいほどその園の公式ホームページを確認します。
そこに「理念」だけでなく、「残業時間の実態」「有給取得率」「産休・育休の取得実績」「キャリアパス」など、求職者が本当に知りたいリアルな情報が網羅されている特設サイトがあるかどうかが、応募へのコンバージョンを大きく左右します。

② 求人検索エンジン(Indeedなど)の最適化
中途採用において、スマートフォンでのキーワード検索による職探しは主流です。
「地域名×保育士×求人」「持ち帰り残業なし」「土日休み」といった、求職者が検索しそうなキーワードを求人原稿にしっかりと盛り込み、自園の求人露出を最大化させましょう。

③ リファラル採用(職員紹介)の制度化
実は最も定着率が高く、採用コストも抑えられるのが現役職員からの紹介です。
「自分の友人を誘いたい」と思える職場環境であることが大前提ですが、紹介制度のルールを明確にし、双方にインセンティブを設けるなどして、現場の職員が声をかけやすい仕組みを作ることが非常に効果的です。

共通する成功の鍵は「ターゲット目線での魅力の再定義」


新卒にも中途にも共通して言えることは、「自園の強み(魅力)を、ターゲットが求めている言葉で適切に発信できているか」ということです。

例えば「アットホームな職場です」という抽象的な言葉ではなく、ターゲットに合わせて以下のように変換する必要があります。

新卒へ:「1年目には必ずエルダー(教育係)の先輩がつき、日誌の書き方から相談に乗るため安心です」

中途へ:「急なお子さんの発熱でも、複数担任制でカバーし合える環境があり、子育て中のママさん保育士が〇名活躍しています」

このように、ターゲットの抱える不安を解消し、求めているメリットを具体的に言語化することが、強力な母集団形成に直結します。

いかがでしょうか?
本日は、新卒採用・中途採用ともに欠かせない「母集団形成」についてお伝えしました。

まずは自園の現在の情報発信(ホームページやSNS、求人票の内容)が、新卒・中途それぞれの目線で魅力的に映っているか、見直すところから始めてみることをお勧めします。

詳細な内容や園の状況に合わせた実施方法は個別の経営相談でお伝えすることが可能ですので、少しでも気になる方はお気軽にお問い合わせください。

執筆者 : 塚本 実和子

早稲田大学教育学部卒業後、株式会社船井総合研究所に入社。 入社以来、200以上の保育事業者とかかわる中で、「園の成長には現場職員の主体的な協力が不可欠」と感じ、保育士資格を取得。経営者の視点に立った戦略的な事業計画の策定と、現場職員の方々の視点に寄り添った実行性の高い改善策を両立させることを大切にする。 提供するコンサルティングサービスは多岐に渡る。経営の根幹である園児募集による収支改善から、「地域で選ばれ続ける園」となるための児童発達支援事業(インクルーシブ保育)の新規立ち上げ支援。さらには、職員の理念浸透を目的としたブランディングブックの作成や研修など、組織と事業の両面からサポートする。 経営者自身も気づいていない潜在的な課題にアプローチするため、経営者・現場職員いずれに対しても丁寧な対話を重ね、お客様の持続的な成長を導くことに尽力している。