「どの子も、どの家庭も取り残さない」園を軸とした切れ目のない支援

  • 保育園・こども園・幼稚園
公開日
更新日
執筆者塚本 実和子
コラムテーマ経営戦略,セミナー・研究会のご案内
SHARE

切れ目のない支援で地域全体を支える、これからの園の在り方

いつもお読みいただきありがとうございます。
株式会社船井総合研究所の塚本でございます。

少子化や核家族化が進む中、地域で孤立する子育て家庭や、発達に多様なニーズを持つ子どもたちへの支援が急務となっています。
本コラムでは、「どの子も、どの家庭も取り残さない」という理念のもと、地域全体を支えるインフラとしての園のあり方について解説いたします。

保育経営は「選別の時代」へ。今、園に求められる新たな役割

日々の園運営において、少子化の影響による園児募集の難しさを実感し、経営の多角化を模索されている経営者様も多いのではないでしょうか。

例えば、発達に不安を抱える家庭に対して専門的なサポートを提供できる「園内併設型の児童発達支援」の立ち上げを検討されたり、産前・産後ケアや「こども誰でも通園制度」の活用に関心を持たれたりする声もよく耳にします。

これらはすべて、在園児だけでなく地域の未就園児や障がい児のいる家庭を孤立させず、本当に必要な支援をワンストップで届けることで、保護者の負担を減らしたいという願いから生まれる課題です。

待機児童問題が解消に向かい、少子化が加速する2026年現在、保育経営は明確に「選別の時代」へと突入しています。

これからの時代、地域のニーズを先取りし、園の付加価値を最大化させることが、選ばれる園となるための鍵となります。単なる預かり施設を超え、すべての家庭に寄り添う「地域のセーフティネット」としての役割が期待されています。

「どの子も、どの家庭も取り残さない」切れ目のない子育て支援の実現

これからの園づくりにおいて重要なのは、「どの子も、どの家庭も取り残さない」園を軸とした切れ目のない子育て支援の実現です。

これは、産前から就学前まで、在園児や地域の家庭、障がい児までを網羅し、地域全体を支えるインフラを築くことを意味します。
具体的には、産前から切れ目のない支援を始めることで、家族ごと支えることが可能になります。

産前・産後支援から「こども誰でも通園制度」へと繋ぐことで、継続的な見守りが実現します。早期から家庭と繋がりを持つことは、子育ての孤立を防ぐだけでなく、スムーズな園生活への移行や、同法人の園への入園にもつながる相乗効果を生み出します。

特定の子どもだけを対象とするのではなく、多様な家庭の育児負担を軽減し、孤立を防ぎながら地域社会全体を包括的にサポートする「多機能化するための事業戦略」が、これからの園経営には不可欠となります。

多様なニーズに応える多職種連携と独自の事業展開

実際に、「どの子も、どの家庭も取り残さない」支援を体現しているのが、社会福祉法人寿光福祉会です。同法人の理事長である巖水瑠華氏は、自身もまさに「働きながら子育てをするお母さん」であることから、保護者が切に願う「あったらいいな」をわずか5年で次々と事業化してきました。

・児童発達支援・療育支援:園の送迎や給食を活かした園内併設型の児童発達支援事業所「フラミンゴ」を開設し、在園児向けの独自の療育支援「ことばステップ」も提供しています。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、公認心理師といった地域の専門職と連携し、受給者証の有無を問わず相談できるワンストップの拠点となっています。

・産前・産後支援:給食と離乳食が提供される助産院「クレイドルハウス」を開院し、産後すぐの母親の休息と育児相談に寄り添っています。さらに、助産師だけでなく料理や掃除などの家事をサポートする「産前・産後ヘルパー事業」も展開しています。

・こども誰でも通園制度:在園児以外の家庭に対しても定期的な見守りを行い、早期の接点づくりからこども園の入園へとつなげています。

・給食販売:夕方の時間帯に園の栄養士が作る給食を有償で販売し、家庭の負担を直接的に軽減する独自の取り組みも行っています。

「地域社会に根ざした多機能拠点として、園の価値を高めたい」
「専門職の採用・活用に悩み、現場の専門性を高めたい」
そうお考えの経営者・理事長・園長様に向けて、成功事例から具体的なノウハウを学べるセミナーを開催いたします。

本セミナーでは、社会福祉法人寿光福祉会の理事長 巖水瑠華氏をゲスト講師にお招きします。

ゲスト講座では、保護者負担を減らした独自のモデルの紹介や各施設の連携および人材育成戦略を詳しく解説していただきます。
すべての家庭を取り残さない園づくりへの第一歩として、ぜひこの機会にご参加ください。
【開催場所】
船井総研グループ 東京本社 サステナグローススクエア TOKYO
【開催日程】
2026年8月24日(月)
【開催時間】
14:00~17:00 (受付開始:開始時間30分前~)
【参加費用】
一般価格 (1名様):税込33,000円 (税抜30,000円)
会員価格 (1名様):税込26,400円 (税抜24,000円)

セミナーの詳細・お申込みはこちら

執筆者 : 塚本 実和子

早稲田大学教育学部卒業後、株式会社船井総合研究所に入社。 入社以来、200以上の保育事業者とかかわる中で、「園の成長には現場職員の主体的な協力が不可欠」と感じ、保育士資格を取得。経営者の視点に立った戦略的な事業計画の策定と、現場職員の方々の視点に寄り添った実行性の高い改善策を両立させることを大切にする。 提供するコンサルティングサービスは多岐に渡る。経営の根幹である園児募集による収支改善から、「地域で選ばれ続ける園」となるための児童発達支援事業(インクルーシブ保育)の新規立ち上げ支援。さらには、職員の理念浸透を目的としたブランディングブックの作成や研修など、組織と事業の両面からサポートする。 経営者自身も気づいていない潜在的な課題にアプローチするため、経営者・現場職員いずれに対しても丁寧な対話を重ね、お客様の持続的な成長を導くことに尽力している。