一本化による各区分の要点
区分1
旧加算Ⅰの基礎分に相当する「区分1」は、職員の平均経験年数に応じた昇給等に充てるための加算です。
区分1は、区分3を取得するか、キャリアパス要件を満たしているかが取得要件となっています。令和7年度では、経過措置としてキャリアパス要件を満たしていない場合でも、区分2から2加算率を2%減じる形で取得を認めていました。しかし、令和8年度からは要件を満たしていない場合、区分1自体の認定が受けられなくなるため、就業規則等の整備が急務となります。
区分2
旧加算Ⅰの賃金改善要件分と旧加算Ⅲが統合されたものが「区分2」です。この加算は、全職員を対象としたベースアップ等の賃金改善を図るものですが、配分ルールに大きな変更がありました。
これまでの旧加算Ⅲでは、「加算額の2/3以上を、基本給や決まって毎月支払われる手当により改善すること」がルールでしたが、一本化後は「区分2と区分3を合わせた加算額の1/2以上を、基本給や決まって毎月支払われる手当により改善すること」が必須となりました。これまでは2/3以上を占める必要があった毎月支給の手当等の割合が、1/2以上に引き下げられましたが、一概に配分ルールが緩和されたわけではありません。旧加算Ⅰの賃金改善要件分は基本給や毎月支払われる手当等で支給する必要がなかったため、区分2として統合されたことにより追加で月額改善が必要になるケースもあります。
区分3
旧加算Ⅱに相当し、リーダー的な役割などを果たしている中堅の保育士等の専門性の向上を図りつつ、キャリアアップの仕組みを構築するためのものが「区分3」です。
旧加算Ⅱから大きく変わった変更点が2点あります。
加算額の算定根拠に「研修修了者の数」が直結するようになった点です。例えば、副主任保育士等にあたる人数Aの算定方法は「基礎職員数×1/3」でした。しかし、変更後では「(基礎職員数×1/3)と、実際の研修修了者数の、少ない方の数」で計算されます。
つまり、計画的に研修受講を進めないと、園に交付される加算額そのものが減ってしまいます。
配分対象者の柔軟化です。旧加算Ⅱでは、副主任保育士等(人数Aに相当)、職務分野別リーダー等(人数Bに相当)の職位の発令を受け、一定 of 経験年数(人数Aは概ね7年以上、人数Bは概ね3年以上)を達していることに加えて、所定の研修を修了していることが配分対象者の要件でした。しかし、これらの要件に加えて、年度内に研修を修了する予定の者も配分対象者として追加されました。
まとめ
このように、処遇改善等加算一本化によって事前の手続き等が簡素化された面もありますが、変更点によって複雑化した部分もあります。実績報告では、区分ごとの加算額、誰にどの手当でいくら配分したのかを把握し、報告しなければなりません。もし基準を下回ったり、要件を満たしていなかったりした場合は、加算の返還という大きなリスクにも繋がってしまいます。
処遇改善等加算一本化について正しく理解し、事前に配分計画を立てて運用していくことは法人の支出を抑え、職員の満足度向上と定着に繋がります。〇区分1
〇区分2
〇区分3不要
【今年も開催】保育所等の処遇改善等加算研修2026
本記事では処遇改善等加算一本化の各区分のルールについてお伝えしました。
「保育所等の処遇改善等加算研修2026」では、今回お伝え出来なかった加算額の計算方法と園の数字を使った実践的な計算ワークショップや具体的な配分事例、実績報告書の取扱いについてもお伝えいたします。
現在、一本化の制度について疑問がある方はもちろん、具体的な計算方法や、職員に不満が生じない配分計画を立てたい方も、ぜひこの機会にご参加ください。

