一本化後の処遇改善等加算のよくある質問と解決策

  • 保育園・こども園・幼稚園
公開日
更新日
執筆者吉田 健人
コラムテーマ処遇改善等加算,セミナー・研究会のご案内
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いつも弊社のメルマガ・コラムをお読みいただきありがとうございます。
本日は令和7年度から一本化された処遇改善等加算について、
加算の認定手続き・運用・実績報告上のよくある質問とその解決策について、
日々のコンサルティングの場で良くお伺いする内容をお伝えいたします。

今まさに令和7年度の実績報告を行っている、これから実績報告の案内が来る予定、日々の運用の中で不明な点があるという法人の皆様はご参考にしていただけるかと存じます。

処遇改善等加算に関するよくあるご質問5選!

よくある質問①:処遇改善等加算の対象について、
処遇改善等加算の区分1および区分2による賃金改善は、保育士や幼稚園教諭だけでなく、事務職員、調理員、栄養士やスクールバスの運転手等を含め、通常の教育・保育に従事するすべての職員(非常勤職員含む)が対象です。
また、区分3についても、原則は「副主任保育士等」や「職務分野別リーダー等」とされていますが、事務職員等や非常勤職員を賃金改善の対象とすることを妨げるものではありません。施設の実態に合わせた職員への支給方法を検討いただけます。

よくある質問②:「研修修了見込み」で区分3を取得したが、年度内に修了できなかった場合の対応
「研修修了見込み」として賃金改善を行った職員が年度内に研修を修了できなかった場合、直ちに加算額の返還を求められることはありませんが、
翌年度に速やかに研修を修了する必要があります。合理的な理由がないまま速やかに研修を修了させず配分対象とし続けると、虚偽等として返還措置に該当するおそれがあるため、確実な受講計画を立てる必要があります。

よくある質問③:育休・産休中の職員の取り扱いについて
育児休業や産前産後休業を取得している職員の経験年数は、休業中の有給・無給を問わず算定対象となります。
また、育休取得予定の職員を処遇改善の対象とすることも可能ですが、休業中で給与が支払われない期間の改善額は0円となります。
そのため、必要に応じて代理の職員に発令等を行い、その職員に対して賃金改善を行うことが考えられます。

よくある質問④:超過勤務手当(残業代)の増加で、賃金改善の要件計算が合わない
施設・事業所全体の超過勤務手当が基準年度と比べて増加している場合、その影響で加算当年度の「加算による改善額等の影響を除いた賃金見込総額」が基準年度の賃金総額を下回ってしまうことがあります。
この場合、超過勤務手当の差額を差し引く(または加える)調整をすることが認められています。
なお、この調整は必ず行わなければならないものではなく、施設の判断で行うかしないかを決めて差し支えありません。

よくある質問⑤:複数施設を運営している場合の、国家公務員給与改定に伴う人件費増額分の他の施設への拠出(配分)について
国家公務員の給与改定に伴う公定価格における人件費の改定分は、当該施設の職員の賃金等を当該年度の4月に遡って引き上げるものであるため、
原則として当該施設等の職員の人件費に充てることが想定されています。 しかし、法人が複数の保育所等を運営し、
収入の均衡を図る目的で一部の施設から他の施設に基本分単価や処遇改善等加算に係る給付費等をすでに拠出しているような場合は、
今回の人件費改定分についても他施設への拠出が認められます。
注意点として、拠出した額については、拠出先の施設において「その全額を人件費として充てる」ことが必須となりますので、適正な配分と管理を行う必要があります。

いかがでしたでしょうか?
処遇改善等加算は制度が複雑な部分もありますが、上手く制度を活用することで、職員の給与改善・定着率向上に役立つ仕組みとなっています。
今回お伝えしたよくある質問と解決策については国の要綱・FAQに基づいており、都道府県・自治体により取り扱いが異なる可能性もあるため、制度運用にあたっては都道府県・自治体への確認も合わせて実施いただけますと幸いです。

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執筆者 : 吉田 健人

和歌山大学経済学部卒業後、株式会社船井総合研究所に入社。 教育機関における組織戦略の立案、人事評価制度の再構築、働き方改革支援に従事する。 業務プロセスの最適化を通じた業務効率化支援や、建学の精神・教育ビジョンと連動したキャリアパス・賃金体系の設計において実績を持つ。 学校法人を対象とした経営セミナーの講師実績も多数あり、次世代の教育現場を支える組織体制構築を支援している。