A.専門学校の新学科・新コース設立を成功させる秘訣は、「周辺市場の獲得」と「力相応一番化」の視点を持つことです。高校生や就職先のニーズを満たし、競合と差別化できる教育内容を構築しましょう。さらに、新たなターゲット層を見据えた広報戦略や、狙う市場から逆算した募集導線の設計を行うことが重要です。
1. 周辺市場のニーズを取り込む「商品力」の強化
少子化により、既存の市場(18歳人口)だけでの学生確保や定員充足は非常に厳しくなっています。そこで新学科や新コース設立時に重要となるのが、「周辺市場の獲得」です。縮小している既存学科の周辺で伸びている領域や、近い領域の市場を取り込む戦略が求められます。例えば、従来の医療事務分野に「美容医療コース」を付加したり、作業療法学科に「こどもリハビリコース」や「障がいスポーツコース」を新設したりする事例があります。新しい教育内容を付加する際は、「高校生にニーズがあること」「就職先からニーズがあること」「教員が自信を持てること」「力相応に地域で一番を取れること」の4つの視点を持つことが成功の秘訣です。
2. 競合と比較して優位に立つ「力相応一番化」と「包み込み」
新学科設立においては、商圏内の競合校と比較した際のポジション取りが重要です。競合よりも優位性があり、自校が確実に1番のポジションを獲れる教育的な魅力づくり(力相応一番化)を行いましょう。また、競合校が保有している人気の学科系統やコースを自校でも新設し、品揃えを増やす「包み込み」の戦略も有効です。例えば、競合校に「こどもスポーツコース」や「こども心理コース」があるのに自校にない場合、多様なニーズを持つターゲット層を競合に奪われている状態と言えます。新コースを設置して品揃えを充実させることで、奪われている層を取り戻すことが可能になります。
3. 新たなターゲット層と多様な学びのニーズへの対応
新学科の設立は、18歳以外の新たなターゲット層を獲得するチャンスでもあります。18歳人口の減少が加速する中、社会人や既卒者、留学生など、多様な対象に向けた学びの場を提供することは、学校経営を存続させるための重要な方向性です。また、大学進学志向の強い層を取り込むための商品力強化も欠かせません。例えば、大卒資格の取得を希望して大学進学と専門学校とで迷っている層に対しては、通信制大学と連携して「大学併修制度」を構築するといった対応が考えられます。時代に合わせた柔軟な教育形態を検討しましょう。
4. 新たな市場から逆算した「募集導線の設計」
新学科や新コースを作っただけで満足してはいけません。新しい教育内容の魅力を、ターゲットに確実に届けるための「募集導線の設計」が必要です。新しく狙う市場から逆算し、「認知・魅力訴求・営業」の各フェーズを見直します。例えば、美容医療系市場を狙うなら、検索キーワードを「〇〇県+美容+専門学校」に設定し、学校案内では美容医療クリニックでの実習を大々的にPRするといった工夫が必要です。ターゲットが興味を持つ内容のWeb広告やSEO対策を実施し、その層に刺さる広報媒体や営業トークへと落とし込むことで、初めて入学者数の増加に繋がります。
【船井総研の提言】
専門学校が生き残るには、時流に合わせた新学科・コースの設立など「商品力」の強化が不可欠です。船井総合研究所では、市場性・力相応一番化の視点に基づき、学校の魅力向上から広報・組織改革まで、現場に深く入り込んだ伴走型の実行支援を行っています。持続的な入学者数確保に向け、全力でサポートいたします。

