A.専門学校業界の主な課題は、少子化による18歳人口の減少と競合環境の激化です。オープンキャンパスに依存した従来の学生募集では定員確保が難しくなっています。さらに、明確な数値目標の欠如、デジタル広報への対応遅れ、経営層と現場の壁といった組織的課題も多く、学校自体の魅力(商品力)の向上が急務です。
1. 少子化による市場縮小と競合過多の環境
専門学校が直面している最大の外部要因は、18歳人口の急激な減少です。少子化が加速する中、既存の市場(高校生)だけをターゲットにした学生確保は年々厳しさを増しています。さらに、大学進学志向の高まりなどもあり、日本人のみで順調に入学者を増やしている学科はごく一部に限られているのが実情です。このような市場の縮小に加えて、同じ商圏内での競合校の増加も課題です。限られたパイを多くの学校で奪い合う「競合過多」の環境下において、他校との差別化が明確にできず、定員割れや赤字経営に陥る学校も少なくありません。
2. 従来の「オープンキャンパス依存」の限界と商品力不足
これまでの専門学校業界では、「オープンキャンパスを開催すれば学生が集まる」という前例踏襲のやり方が通用していました。しかし、現在はイベントを企画するだけでは高校生は集まらず、従来の募集手法は限界を迎えています。ここで課題となるのが、学校自体の「商品力(学科魅力度)」不足です。学生募集活動の強化だけでは入学者数増加には限度があり、教育内容や資格取得実績、就職先(出口)といった根本的な魅力度向上が不可欠です。自校の強みが明確でなく、競合校と比較して優位に立てる教育的な魅力(商品力)を磨き切れていないことが、学生から選ばれない大きな要因となっています。
3. 曖昧な数値計画とデジタル広報への対応遅れ
学校運営における計画策定の甘さも深刻な課題です。年間目標はあっても、月次・週次の目標や、具体的な行動計画にまで落とし込めていない学校が多く存在します。また、オープンキャンパスの参加者数などの数値定義が曖昧で、正しい進捗管理ができていないケースも見受けられます。さらに、コロナ禍を経て広報の主戦場がSNSやWeb広告、LINEなどのデジタル領域へ移行したにもかかわらず、その変化に乗り遅れている学校もあります。デジタル広報のノウハウ不足により、ターゲットのニーズに合った情報発信ができず、広報活動が非効率になっている点も課題です。
4. 経営陣と現場の壁や組織力の欠如
どのような戦略も、実行する組織体制が整っていなければ機能しません。多くの専門学校では、理事会や経営陣と現場の教職員との間にコミュニケーションの壁があり、現場から主体的なアイデアが出にくい状況にあります。広報責任者が不在で現場任せになっていたり、PDCAサイクルを回すための会議体が未整備であったりするため、施策が途中で立ち消えになることも珍しくありません。また、教職員の営業トークがブラックボックス化しており、組織全体の対応力にバラつきがあるなど、募集を成功させるための「組織力」の欠如が、学校改革を阻む大きな壁となっています。
【船井総研の提言】
専門学校が生き残るためには、小手先の募集施策ではなく、経営と現場が一体となった根本的な改革が必要です。船井総合研究所では、具体的な行動計画の策定から、教育内容(商品力)の見直し、教職員が自走する組織体制の構築までトータルでサポートします。持続可能な学校経営に向けた戦略の実行に全力で伴走いたします。

