【保育士定着】即戦力こそ要注意!中途採用者を定着させる「中途研修」の重要性

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公開日
更新日
執筆者塚本 実和子
コラムテーマ採用・育成
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中途採用者が安心して力を発揮できる!園の組織力を底上げする研修・フォロー体制の作り方とは?

いつもお読みいただきありがとうございます。
株式会社船井総合研究所の塚本です

保育業界において、苦労して採用した保育士の「早期離職」は非常に痛手となる経営課題です。
「即戦力として期待していたのに、すぐに辞めてしまった」
「既存の職員とやり方の違いで摩擦が起きている」
このようなお悩みを抱える法人様は少なくありません。
採用活動における「集める」プロセスと同様に重要なのが、入職後の「育てる・定着させる」ステップです。
今回は、中途採用者が園に定着し、本来の力を発揮するために不可欠な「中途研修」に特化し、伝えるべき内容と具体的な関わり方のポイントをお伝えいたします。

そもそも「中途研修」はなぜ重要なのか?

中途採用者は、保育の現場経験があるからこそ「新人扱いされるのは嫌だが、放置されるのも不安」という複雑な葛藤を抱えています。
この心理状態を理解せず、「経験者だから」と現場にそのまま配置してしまうと、前職とのギャップや園独自のルールが分からないことで、大きなストレスやミスにつながります。
自園の理念に共感し、長く活躍してくれる人材として定着させるためには、経験者であっても丁寧な初期研修とフォローアップの体制を整えることが第一歩となります。

中途研修で伝えるべき4つの内容

中途研修では、保育技術そのものよりも、園の土台となる部分とローカルルールの共有に時間をかけます。

①園の理念と保育方針

「どんな子どもに育ってほしいか」「そのために保育士はどう関わるか」という根本の考え方を伝えます。面接時にすでに共感してもらえているかもしれませんが、入職して現実味が出ているからこそ、改めて日常の保育と紐づけて伝えることが大切です。

②園独自のルールと1日の流れ

前職のやり方が特に染み付いている部分です。タイムスケジュール、掃除の仕方、おもちゃの消毒ルール、お散歩コースの決まりなど、細かな業務フローを具体的に伝えることで、安心して働いていただけます。

③安全管理・危機管理対応

命に関わる最重要項目です。アレルギー児の対応手順、ケガをした際の報告ルート、不審者対応、ヒヤリハットの記録方法など、園で定めているマニュアルを必ず読み合わせましょう。

④保護者対応

送迎時の声掛けの内容や、園児間トラブルが発生した際の報告方法および伝える粒度、さらにはクレーム対応の一次受けをどうするかなど、園としての基本的なスタンスを伝えます。前職との違いが出やすく、保護者との信頼関係に関わる重要な部分のため、丁寧なすり合わせが必要です。

研修を行う上での重要な5つのポイント

中途採用者に対する関わり方として、以下のポイントを意識することが大切です。

①これまでの経験を尊重し、頭ごなしに否定しない

「前の園ではどうされていましたか?」と相手のやり方を聞く姿勢が重要です。その上で、「当園では〇〇の理由で、このやり方をお願いしています」と理由を添えて伝えると、納得して受け入れてもらいやすくなります。

②「見て覚えて」を廃止し、言語化する

「背中を見て学んで」という職人風の指導は、中途採用者にとって最大のストレスになります。暗黙の了解をなくし、「おむつ替えの時は手袋を二重にする」「お昼寝のチェックは5分おきに行う」など、基準を明確に言語化・マニュアル化して提示してください。

③質問しやすい「専任の相談窓口(メンター)」を置く

誰に質問していいかわからないと、中途社員は勝手な判断をしてミスをするか、萎縮して動けなくなります。年齢や経験年数が近い先輩を「エルダー(メンター)」として1名配置し、「迷ったらまずは〇〇さんに聞いてください」と窓口を一本化すると安心感が生まれます。

④期待する役割を明確にする

「まずはクラスの補助として1ヶ月慣れてもらい、3ヶ月後にはリーダーをお任せしたい」など、いつまでに・どのレベルを求めているのか、ロードマップを明確に提示します。

⑤定期的な面談でギャップを早期に埋める

入社後「1週間」「1ヶ月」「3ヶ月」のタイミングで、必ず1on1の面談を実施します。スキル面だけでなく、「人間関係で困っていないか」「入社前に聞いていた話と違う部分はないか」をヒアリングし、不満が爆発する前にガス抜きを行います。

共通する成功の鍵は「心理的安全性」と「丁寧なすり合わせ」

経験豊富な中途採用者は園にとって大きな戦力ですが、新しい環境においては誰もが不安を抱えるものです。
「経験者だからわかるはず」という思い込みを捨て、マニュアルによる基準の明確化と、定期的なコミュニケーションによる精神的なフォローを両立させることが、強力な組織づくりに直結します。
いかがでしょうか?


本日は、中途採用者の定着に欠かせない「中途研修」についてお伝えしました。
まずは自園の現在の受け入れ体制やマニュアルが、中途採用者の目線で分かりやすく、安心できるものになっているか、見直すところから始めてみることをお勧めします。


詳細な内容や園の状況に合わせた実施方法は個別の経営相談でお伝えすることが可能ですので、少しでも気になる方はお気軽にお問い合わせください。

執筆者 : 塚本 実和子

早稲田大学教育学部卒業後、株式会社船井総合研究所に入社。 入社以来、200以上の保育事業者とかかわる中で、「園の成長には現場職員の主体的な協力が不可欠」と感じ、保育士資格を取得。経営者の視点に立った戦略的な事業計画の策定と、現場職員の方々の視点に寄り添った実行性の高い改善策を両立させることを大切にする。 提供するコンサルティングサービスは多岐に渡る。経営の根幹である園児募集による収支改善から、「地域で選ばれ続ける園」となるための児童発達支援事業(インクルーシブ保育)の新規立ち上げ支援。さらには、職員の理念浸透を目的としたブランディングブックの作成や研修など、組織と事業の両面からサポートする。 経営者自身も気づいていない潜在的な課題にアプローチするため、経営者・現場職員いずれに対しても丁寧な対話を重ね、お客様の持続的な成長を導くことに尽力している。