【定員充足率87.7%のリアル】最新データから読み解く、今すぐ実践すべき「園児募集戦略」

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更新日
執筆者塚本 実和子
コラムテーマ経営戦略
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選ばれる園に欠かせない「保護者アンケート」の活用法とは?

いつもお読みいただきありがとうございます。
株式会社船井総合研究所の塚本でございます。

先日、こども家庭庁より「保育所等関連状況取りまとめ(令和8年4月1日)」が公表されました。
年に一度発表されるこのデータからは、全国の保育所等の定員や待機児童の最新状況を把握することができます。

すでにチェックされた方もいらっしゃるかと存じますが、今回の発表には今後の園経営・園児募集を左右する非常に重要な数値が示されています。

「12%以上の空き枠」が常態化する時代。定員割れを防ぐ次なる一手とは?

注目すべきは、国全体の利用状況と需給バランスの現実です。

利用定員数:3,016,417人(対前年▲12,865人)   
利用児童数:2,646,756人(対前年▲31,661人)   
定員充足率:87.7%(対前年▲0.7%)   
待機児童ゼロの自治体:1,552自治体(全体の89.1%)   

全国の定員約301.6万人に対し、実際の利用児童数は約264.7万人と、全国平均で「12%以上の定員枠が常に空いている(定員充足率87.7%)」という厳しい現状が浮き彫りになりました。
過疎地域においては定員充足率が72.7%まで低下しています。   

さらに国がまとめた「実施計画」の見込みによると、令和7年から令和11年までの5年間で保育ニーズ(申込者数)は約9.5万人減少する一方、利用定員数は約3,000人分増加する見通しです。   

待機児童がゼロの自治体が約9割を占める今、保護者は「入れた園に入る」のではなく、「比較検討して、真に魅力を感じた園を選ぶ」時代へと完全に移行しました。   

では、このように定員割れが全国化・常態化するなかで、安定して園児を集め続けている園は何を行っているのでしょうか?

その1つとして、「保護者アンケート」を起点としたマーケティング戦略が挙げられます。

園児募集に欠かせない「保護者アンケート」とは?

行事終了後や年度末に保護者に対してアンケートを取っている園もあるかと思います。
ただ、それを単なる「満足度チェック」や「行政提出用の事務作業」で終わらせていてはもったいないです。

選ばれる園は、アンケートを「自園の強みを掘り起こし、募集活動に還元するマーケティングツール」としてフル活用しています。

具体的には、「現状把握」「集客・広報」「組織構築」の3つの切り口で活用ができます。

マーケティングツールとしての「保護者アンケート」活用法

1 【現状把握】退園リスクを防ぐ「保護者目線」の課題抽出
定員割れが進む中、最優先すべきは「既存園児の離脱防止」です。少子化の影響が最大の要因であり、保護者の保育や環境への本音をデータで把握することが不可欠です。

アンケートで不満などの潜在的リスクを早期発見・改善することで、強固な信頼関係を生み出します。

2. 【集客・広報】保護者の「生の声」を唯一無二の募集コンテンツに変換する
園児募集では、園のアピール以上に「保護者のリアルな声」が響きます。アンケートで得た「親身な対応」や「自然体験」などの具体的評価は、他園には真似できない独自の強みです。これらをHP・パンフレット・SNS等で発信することで、入園決定率を大幅に高められます。

3. 組織構築】「選ばれる園」をつくる職員エンゲージメントの向上
人材確保が困難な中、質の高い保育には職員の定着が不可欠です。保護者からの感謝の声を職員に直接届けることで、やりがいやモチベーションが向上します。
さらに、評価の高い対応を採用基準や研修に活かすことで、理念に共感する優秀な人材の定着に繋がります。

いかがでしょうか?

より具体的な実施方法や実例については、個別の経営相談でお伝えすることが可能ですので、少しでも気になる方はぜひお気軽にお問い合わせください。

執筆者 : 塚本 実和子

早稲田大学教育学部卒業後、株式会社船井総合研究所に入社。 入社以来、200以上の保育事業者とかかわる中で、「園の成長には現場職員の主体的な協力が不可欠」と感じ、保育士資格を取得。経営者の視点に立った戦略的な事業計画の策定と、現場職員の方々の視点に寄り添った実行性の高い改善策を両立させることを大切にする。 提供するコンサルティングサービスは多岐に渡る。経営の根幹である園児募集による収支改善から、「地域で選ばれ続ける園」となるための児童発達支援事業(インクルーシブ保育)の新規立ち上げ支援。さらには、職員の理念浸透を目的としたブランディングブックの作成や研修など、組織と事業の両面からサポートする。 経営者自身も気づいていない潜在的な課題にアプローチするため、経営者・現場職員いずれに対しても丁寧な対話を重ね、お客様の持続的な成長を導くことに尽力している。